全身音楽体験 大野和士と子どもたち

リヨン国立オペラの主席指揮者として活躍中の大野和士さんから
日本の小学校のこどもたちに ストラビンスキーの火の鳥、
ドビュッシーの牧神の午後で踊る課題を出し、
それに対して子どもたちが自分たちの踊りを作り上げてゆくという番組が
12月26日にNHK 教育で放送された。

プロのダンサーの手を借りての振り付けではあったが、
きちんと子ども達が動きの意味を理解していること、
そして振り付けそのものが 子どもたちの自然な動きを活かされているせいか、
学芸会などでありがちな 手旗信号的な動きではなく
気持ちのこもった 踊りとなっていた。

リヨン歌劇場管弦楽団も おそらく来日時のボランティア活動の一環だろうが
メンバーの一部が小学校に演奏に来てくれるなど協力的だったのも
素晴らしかった。

そういえば 最近の小学校の音楽の時間って
どんな授業をしているのだろうか。
だいぶ前に 音楽の教科書にいわゆる歌謡曲が
掲載されたというのでニュースになったのだが、そんな調子なのだろうか。

歌謡曲にだって いいものはあるのだが、
家に帰れば いくらでもテレビCMやらなにやらで聞くチャンスはあるだろう。
だが、いわゆるクラシカルな音楽となると
家庭の趣味次第では 聞くチャンスがあまりない子もいるのである。
だったら、昔の人はこういう音楽を作りました、いっぺん聞いてみましょう。
こういった授業も大事なのではないだろうか。

もちろん 大野さんのように この曲で踊りましょう、といった授業は
よほどのことでないと無理だとは承知であるが
でも、曲ならCDをかければ いくらでも聞かせることができる。


ところで、音楽の授業というと 高校1年の時に風変わりな先生がいた。

何でも、正規の音楽の先生がその前年に急病で倒れたということで
急きょお願いして1年間だけ来てもらった先生だったようだが
特に 決められたカリキュラムを任されたわけでもなかったようで、
やってたことは異常にユニークだった。

今思うとその先生は ミュージカル関係の何かが本業だった人のようで
今日の授業は ウエストサイドストーリーの映画鑑賞をします、だったり
そうかと思うと突然 作曲の宿題(?!)を出してきたり、
夏休み中に ニューヨークのミュージカル俳優のトレーニングを見学したとかで
あっち風の踊りながら行う発声練習を君たちもやってみよう、なんて授業をはじめたり、
何から何まで 今思うとヘンだった。
あの当時は あまりヘンだとは思わなかったが。

感受性が次第に鈍ってくる10代後半にさしかかる頃での出来事であったので
それがきっかけで 何かが大きく変わるというこはなかったが
舞台芸術を作り上げるということは 非常に大変なことなのだ、と
何かわかったような気がした。